特集 人材配置のポイント
ケアのための人材配置
穀山 聡子
1
1筑波大学附属病院
pp.134-139
発行日 1993年5月15日
Published Date 1993/5/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1686900160
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看護婦は人々に役立ちたい,と思い看護職を選んだ.そして,人々の痛みや,苦しみを和らげ,よい生活ができ,平和な死を迎えられる援助者として教育され,採用されたはずである.看護婦は自分の存在の非常に深いところでケアリングの価値観をもっている.そしてこれを守りたいと思っている.Mantheyは看護コンサルタントとしてアメリカ全土でワークショップ,セミナー,コンサルテーションをしている.スタッフに非常に問題のある病院の源は,ケアをしたい看護婦たちへの敬意の程度にあるという1).看護婦の離職,定着に関する数多くのリサーチも同様のことを示唆している.
今,看護婦の数を増やす政策がある.しかし,多くの看護婦が職場を,看護職から去っていく.また絶対的な看護婦不足の中で看護大学が次々に創設されている.しかし,さまざまな教育的背景をもった看護婦をケアの為に活かす看護管理者の教育は極めて不備のままである.私たちは,今,そして未来につながることで何をすべきなのか.看護婦に敬意をはらうとは具体的にはどんなことなのか.看護婦が価値をおくことを実現する人的資源の活用について考えてみたい.
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