レポート
在宅ケア効果の評価方法とケアの質改善方法―アメリカ合衆国のメディケアで義務化されているケア効果の評価方法(OASIS)とケアの質改善(OBQI)
島内 節
1
,
内田 陽子
2
1東京医科歯科大学保健衛生学科
2東京医科歯科大学保健衛生学科研究科博士後期課程
pp.49-56
発行日 2001年1月15日
Published Date 2001/1/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1688901214
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はじめに
わが国では世界に例をみない急速な高齢社会を迎え,2000年4月に介護保険が本格的に始動し,在宅ケア機関の量的な整備が推進されている。しかし,ケアサービスの質的な面での検討は遅れている現状にある。在宅ケアの質を測定する評価方法やその基礎となるアウトカム測定尺度,さらにアウトカムの結果からサービスの質を改善する具体的な活動の開発は早急の課題である。わが国に先駆けて在宅ケアを進めているアメリカ合衆国の状況をみると,1999年7月メディケアを適用する在宅ケア機関はOASIS(The Outcome and Assessment Information Set)を使用してのアウトカム測定を義務づけられ,その結果からアウトカムを高めていく,ケア機関としてのアクションプラン(活動計画)を作成し質改善の取り組みを行なっている1)。
島内を主任研究者とする研究メンバーはこの評価方法に着眼し,1999年にわが国で実際にOASISを使用してのアウトカム測定を行ない,わが国の在宅ケアの評価方法での実施可能性と有効性を検討した1)。今回,ここにOASISによる在宅ケアのアウトカム評価方法と質改善(OBQI)方法を紹介し,わが国での在宅ケアサービスの質向上を検討するヒントとして役立てばと考えた。
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