書評
医療・ケア従事者のための哲学・倫理学・死生学
石垣 靖子
1
1北海道医療大学
pp.946
発行日 2022年11月10日
Published Date 2022/11/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1686202274
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臨床の「どうするか」にこだわり,考える道筋を示す
1986年4月,医療現場と哲学・倫理学者(ことばの専門家)とのコラボレーションの扉が開かれた。当時,私が看護部長を務めていた東札幌病院で開催されていた「倫理セミナー」に,講師として清水哲郎先生に参画いただいたことがそのきっかけとなった。実は先生は患者の家族として病院を訪れていたのだが,ほどなく哲学の専門家として医療現場の扉をノックしてくださったのだ。
それから30数年,哲学者は医療の現場に深く関わり,そこで繰り広げられる1つひとつの事象に対して,医療・ケアスタッフに誠実に付き合い,臨床に携わる者のことばのあいまいさにも根気よく寄り添い,共に歩みながら新しい臨床の倫理を築き上げてきた。
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