実践報告
地方過疎地域における院外チーム医療活動展開の試み—矢掛包括的ケアサポートチーム(Y-CAST)の取り組み
古谷 清枝
1,2
,
小塚 道子
3
,
石宮 周子
3
,
友田 容子
3
,
新納 利恵子
4
,
沖田 充司
5,6
,
村上 正和
5
1岡山労災看護専門学校
2前・矢掛町国民健康保険病院 看護介護科
3矢掛町国民健康保険病院 看護介護科
4矢掛町国民健康保険病院 リハビリテーション科
5矢掛町国民健康保険病院 外科
6岡山市立市民病院 外科
pp.46-50
発行日 2022年1月10日
Published Date 2022/1/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1686202065
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矢掛包括的ケアサポートチーム(Y-CAST)の概要と活動の広がり
院内から院外へ
取り組みの背景
矢掛町国民健康保険病院(以下,当院:表)は,岡山県南西部に位置する人口約1万4000人,高齢化率約38.2%(2020年3月時点)の矢掛町内で唯一の公的病院である。看護師をはじめとするスタッフの人員不足や専門資格者の不足など,医療の人的資源が乏しい中で地域医療を支えている。
このような厳しい状況下でも病院機能の向上に向けて,当院でも多くのチーム医療や委員会活動を展開しているが,職員は複数の業務を兼務しており,回診などの業務を所属委員会ごとに重複して行っていた。また,医療の高度化・複雑化や患者ニーズの多様化のほか,医療から介護領域までの幅広い役割を担う地域医療の特性上,縦割り構造下のチーム医療や委員会活動では対応に限界が生じていた。
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