連載 患者エクスペリエンス もしも患者の内なる声が聞こえたら・11
患者エクスペリエンスから,ケア・エクスペリエンスへ
近本 洋介
1
1Caring Accent(ケアリング・アクセント)
pp.1028-1031
発行日 2020年11月10日
Published Date 2020/11/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1686201718
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この連載では,医療に関する患者による主観的評価である患者エクスペリエンス(PX)が,医療の質のさらなる向上に貢献する可能性について考察していきます。米国で利用されているPXの実践を支えるツールやエクササイズを,読者の皆さんが,日本の臨床現場で試験的に導入できるような形で紹介し,読者の皆さんが日本のPX実践の先駆者となって活躍されることをお手伝いしたいと願っています。
今回は,PXが「スタッフエクスペリエンス」と対立して捉えられてしまうことの問題点について考察し,その解決策として,ケアに関わる全ての人々とその関係性の中に発生するケアという行為を直感的に同時に連想させる「ケア・エクスペリエンス」という表現を提案します。さらに,PXと独立して発展してきた医療スタッフウェルネスについて,その特徴を概観するとともに,PXとの接点について検討していきます。
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