書評
看護にいかすインストラクショナルデザイン—効果的・効率的・魅力的な研修企画を目指して
菊内 由貴
1,2
1四国がんセンター 臨床研究センター
2熊本大学 教授システム学研究センター
pp.861
発行日 2017年10月10日
Published Date 2017/10/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1686200812
- フリーアクセス
- 文献概要
- 1ページ目
- 参考文献
インストラクショナルデザインを体験しながら研修改善が目指せる本
臨床看護師教育の現場で活用できる
医療の進歩に伴い臨床看護師に研修すべき内容は膨大な量に及ぶ一方,教育について専門的に学ぶことができる機会はほとんどない。教育担当者は,たとえ教育の専門的な知識がなくても,とにかく研修を企画運営しなければならず,研修方法や研修効果に疑問を抱きながら悪戦苦闘している現状がある。
私自身,がん看護専門看護師として,教育を通じた臨床現場の質向上に貢献したいと考え,自施設内外の教育企画に携わってきた。この中で,学習到達度が不十分であっても,研修時間数をクリアすれば一律に修了となることに大いに疑問を持った。研修で獲得できる能力や合格基準が不明確であるために,明らかに能力不足の研修生でも,不合格にできないという研修設計上の問題である。このような現状を何とかしなければと試行錯誤したが,どれも焼け石に水であった。
Copyright © 2017, Igaku-Shoin Ltd. All rights reserved.