実践報告
マッチング制度を用いたローテーション研修と配属後の支援体制の再構築—現場の意見を取り入れて考案したATE(当て)方式
大枝 砂与
1
1岡山中央病院 経営企画室
pp.760-764
発行日 2017年9月10日
Published Date 2017/9/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1686200786
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はじめに
2010年4月に卒後看護職員研修は努力義務となり,2014年2月には新人看護職員研修ガイドラインの改訂版(以下,改訂版)が公表された。改訂版では,卒後ローテーション研修(以下,ローテーション研修)は,「一つの部署では得ることのできない幅広い臨床実践能力を獲得するために有効」1)とされている。
岡山中央病院(以下,当院:表1)は,ローテーション研修とマッチング制度を導入している。マッチング制度とは,新人看護師と病棟側の希望を考慮するシステムであり,当院に就職した新人看護師の多くは,この制度を志望動機に挙げている。
2016年度の新人看護師の入職者数は20名で,5年前より2倍以上増えた。それに対して十分な教育が行き届かないという懸念から,ローテーション研修のプログラム変更,教育支援体制の見直しを行った。新人看護師の配属人員が増えること,プログラム変更を行うことにより,指導者に戸惑いが生じる可能性があり,外部アドバイザーの大学教授に相談しながら変更を検討する1年となった。その結果として実施することになった新ローテーション研修とマッチング制度,および配属後の新人看護師支援組織体制について報告する。
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