連載 ポジティブ・マネジメントの航海術—組織変革の波を越える・8
虎の門病院におけるコンピテンシー・マネジメントの導入・3
市瀬 博基
1
1東京外国語大学
pp.186-191
発行日 2016年2月10日
Published Date 2016/2/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1686200398
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前回は,コンピテンシー・マネジメント導入における新たな「活動」が組織に定着するプロセスを考えました。そして開発・導入の過程で行われた開発メンバー間のディスカッション,第1回評価会議における評価者−被評価者間で交わされた対話が「内省をうながすコミュニケーション」として機能しており,コンピテンシーの視点から自分の経験を振りかえり,とくに意識していなかった判断や行動の流れをコンピテンシーの枠組みに沿って考えることを促進する働きがあると明らかにしました。
さらに,評価会議におけるコミュニケーションには承認の場がつくられていることも分かりました。このことは,学校での学びのように知識とスキルの習得を個人の内面で完結させるのではなく,仕事を共にする上司(や仲間)との関係性の中でコンピテンシーを身につけることがきわめて重要だということを示しています。
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