実践報告
小規模病院の強みを生かした病棟看護師が行う退院支援—患者や家族の「想い」を在宅につなげる
山中 多美子
1
1美濃市立美濃病院看護局
pp.176-181
発行日 2016年2月10日
Published Date 2016/2/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1686200396
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はじめに
高齢化地域にある小規模病院は,健診から急性期,慢性期,在宅までの広い範囲の医療を担い,地域住民に密着した医療サービスを展開することが使命である。多くの高齢患者は退院時,介護力の低下や経済的問題などを抱えており,退院後の生活を踏まえた退院準備が不可欠である。しかし地域の小規模病院では,慢性的な看護師不足や経営の問題で,退院支援の必要性を感じながら,退院調整部門への人員配置が困難な場合が少なくない。
美濃市立美濃病院(以下,当院:表)は,岐阜県中濃地区の二次医療圏にあり,高齢化率30%(2014年度),人口2万2000人弱の地域の市立病院である。この環境の中で,地域住民の在宅療養への移行を少しでも円滑化したいと考え,退院支援に関してさまざまな試みを行ってきた。その経過を報告するとともに今後の展望を考察したい。
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