特集 地域包括ケア時代における病院の在宅への関わり方
大学病院と協働する在宅支援のあり方
中山間地域の小規模病院における在宅診療の今後のあり方
鈴木 賢二
1
1町立奥出雲病院
キーワード:
在宅診療
,
中山間地域
,
地域包括ケアシステム
Keyword:
在宅診療
,
中山間地域
,
地域包括ケアシステム
pp.619-622
発行日 2021年7月1日
Published Date 2021/7/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1541211474
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■はじめに
日本の医療・介護現場は変化が著しい.高齢化と医療に対する価値観の変化によって,高齢者をより少ないマンパワーで,より多くより丁寧に診る場へと変貌している.特に,地域に密着した病院は総体的には病気を治す場から人生の終盤をマネジメントする場へと変化してきている.また,町立奥出雲病院(以下,当院)が立地する島根県奥出雲町のようなへき地・中山間地域では,医師減少率が高齢者人口の減少率を遥かに上回るスピードで進行している.
核家族化の進行と男女共同参画社会への変化は,結果として家庭の介護力の低下につながっている.女性の社会進出が目覚ましい一方で介護力低下という側面に対しては,国がより積極的な支援を行わなければ,これまで社会に貢献してきた高齢者,これからさらに社会に貢献する女性や次世代ともに困難な状況が続くであろう.
2020年初頭以来,新型コロナウイルス感染症の蔓延(以下,コロナ禍)は医療に大きな影響を及ぼしている.しかし,コロナ禍であっても高齢者の医療需要が減るわけではなく,むしろ外出控え,受診控えから在宅医療の需要は高まっていると思われる.
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