特集 病棟でこれをやると退院はうまくいく
小規模病院で退院支援を成功させるコツ―スクリーニングシートの改善と連絡会の立ち上げ
大釜 幸子
1
Ookama Sachiko
1
1医療法人社団中央会金沢有松病院看護部
pp.852-859
発行日 2008年10月1日
Published Date 2008/10/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1661101328
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取り組み前における当院の退院調整の問題点
当院は石川県金沢市の南部にある140床の地域密着型の一般病院で,平均在院日数は15~16日,DPC準備病院として在院日数の短縮が不可欠の課題となっています.病棟は3つあり,現在,どの病棟でも退院支援を行なっています.昨年度は施設入所や療養病床への転院,訪問などの在宅医療への引継ぎを合わせ,約300件の退院支援がありました.
5年前(2003年度)の時点での平均在院日数は21.8日と長く,その背景には退院後,自宅へ帰れない状況にある高齢者の増加がありました.在院日数が長引くと経営上にも大きな問題となることもあり,2005年度には地域連携室が設置され,在院日数も16日に短縮されました.しかし,当時の地域連携室に配属されていたのは医事課職員と外来師長のみであり,十分な病状把握がなされないまま転院が行なわれることが多く,転院先やご家族への詳細な情報伝達が不足するといった問題がありました.
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