連載 おとなが読む絵本——ケアする人,ケアされる人のために・116
ファンタジーはこころのくすり箱
柳田 邦男
pp.98-99
発行日 2016年1月10日
Published Date 2016/1/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1686200379
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大人が不幸になるのは,「何々とはこういうものだ」と,何事につけわけ知り顔で固定観念にとらわれているからだ。絵本についての大人のとらえ方も,その1つだ。絵本とは幼い子のために,簡単な言葉に絵を添えてわかりやすく楽しめるようにした本だと考えている。そうではないんだ,絵本は読む人の人生経験に応じて,深い味わいがにじみ出てくる独特の表現ジャンルなのだと,私は繰り返し問うてきた。
そんな意味で,大人にとって味わいの深い絵本には,大きく分けて2つあるように思う。
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