特別記事 医療事故対応
医療事故の医療側当事者支援―Second Victimを防止するシステム構築の必要性
石川 雅彦
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1公益社団法人 地域医療振興協会 地域医療安全推進センター
pp.582-586
発行日 2013年7月10日
Published Date 2013/7/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1686102818
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医療事故当事者支援の必要性
医療安全推進と医療の質向上に関しては,過去10年間,組織的にさまざまな取り組みが実施されてきたが,医療事故発生時の医療側当事者支援に関しては,本邦では標準的な支援策が確立されているとは言い難い。現時点では,医療者が医療事故当事者となった場合には,施設により対応が異なり,必ずしも十分な支援を受けられる環境とは限らない。
2007(平成19)年3月に厚生労働省医療安全対策検討会議の医療安全管理者の質の向上に関する検討作業部会によって作成された「医療安全管理者の業務指針および養成のための研修プログラム作成指針─医療安全管理者の質の向上のために」には,医療事故への対応のなかに,「医療事故に関与した職員の精神的ケア等のサポート」という記載があり,事故発生時の対策のひとつとして医療安全管理者の業務のなかに明記されている1)。医療事故の初期対応とともに,医療事故の医療側当事者(以下,当事者)に具体的にどのような状況でどのような支援が必要かということは,医療安全管理者の業務としてのみならず,看護管理者を含めたトップマネジメントが,組織として対応すべき支援である。このような状況を鑑みて,医療事故当時者となった医療者を院内で支援するシステム構築に関して検討した。
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