連載 問題事例に看護コンサルテーション!・3
HIVのケアをめぐり脇役が主役になった―看護の専門性と看護師の感染リスク
松下 年子
1,2,3
1横浜市立大学大学院医学研究科・医学部看護学科
2日本アディクション看護学会
3日本高齢者虐待防止学会
pp.404-407
発行日 2013年5月10日
Published Date 2013/5/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1686102770
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看護とは何か,その専門性について多くの人が語っているが,おおよそ共通しているのは,科学であること,専門性を有していること,手(技術)と頭(知識)と心(看護のこころ)を一体にして対象に向かうこと,関係性のなかで癒しをもたらすこと,つまり対象を理解し,関心をもち続けること,対象の自立を促すこと,対象の安寧,QOL,安全を守ることなどであろうか。そして,以上の役割を果たすことにおいて,自分の守備範囲を自覚していることが,「専門性がある」ことの最小要件となろう。専門職者は「専門性がある」ことについて責任をとる義務があるゆえに,どこまでを自分の専門性とするかを見極め続ける必要がある。一方で,専門職者であるなしにかかわらず,人は皆,自分の健康を守り,健やかな生活を送る権利と義務がある。自らの幸福と,命と人生を引き受ける責任がある。
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