- 有料閲覧
- 文献概要
- 1ページ目
- 参考文献
はじめに
2007(平成19)年12月に「ワークライフバランス(以下,WLB)憲章」と「仕事と生活の調和推進のための行動指針」1)が「仕事と生活の調和推進官民トップ会議」において合意された。
看護職は生活者としてよりも専門職として仕事を優先させることを画一的に求められてきた懸念がある。それができない場合,満足する形での就業継続が困難であることも否めない。
日本看護協会でも2007年度より,看護職のWLB実現に向け労働時間管理や人材育成,組織風土の改善に対して課題と対策を提言している。看護職のWLBが実現することで満足度や職務コミットメントが高まり,生産性・継続性での貢献が可能となり,ひいては看護ケアの向上をめざしたいという期待がかかる。
この背景があり,京都府看護協会は2011(平成23)年度「看護職のWLB推進ワークショップ」を企画した。
医仁会武田総合病院(以下,当院)看護部では,WLBに関する取り組みにより,「働きやすく,働き続けられる職場環境づくり」を構築してきた過程がある。この取り組みや体制の整備が広く看護職員に周知されているかを知り,潜在・顕在する職場の問題を明確化し,既存のシステムの見直しと,さらに働き続けられる労働条件・労働環境の改善に向けて取り組む機会とすることを目的にこのワークショップへの参加を希望した。
このワークショップ・アクションプランの一つに,夜勤回数の偏り是正や残業への取り組みが挙がった。WLBでは個人の働きやすい勤務形態を考慮することが重要あるが,その形態を続けることでの体調への影響や,部署全体としての業務調査と残業実態との整合性も,労務管理や衛生管理上の課題である。
自部署の取り組みとして夜勤体制の見直しと再構築に挑み,個々のWLB考慮,残業時間,経済的効果の指標から部署とスタッフ個々に適した夜勤体制を検討し,改善策を考案した。結果,変則2交代夜勤体制100%・14時間夜勤の導入が成功できたため,その実際について報告する。
Copyright © 2013, Igaku-Shoin Ltd. All rights reserved.