連載 Will & Voice・5
准看護師問題再訪―問われる看護界の自律性
細田 満和子
1,2
1星槎大学
2ハーバード公衆衛生大学院
pp.880-881
発行日 2012年9月10日
Published Date 2012/9/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1686102566
- 有料閲覧
- 文献概要
再び現れた准看護師問題
今,看護職の資格に関するさまざまな問題が噴出している。例えば,ナース・プラクティショナーや特定看護師(仮称)の養成や導入,専門看護師や認定看護師の制度上の位置づけなどである。これらは,高度化する医療や高齢化する社会への対応として議論の俎上にのっている。このような看護職の資格を巡る問題のなかで,近ごろ,准看護師について重要な動きがあった。2012(平成24)年6月15日の夜,神奈川県知事の黒岩祐治氏が,県庁本庁舎の応接室に集まった記者団に向かって神奈川県内での医療構想を語った,県内での准看護師の養成停止である。
周知のとおり准看護師というのは,2年の養成過程を終了後,試験に合格すると都道府県知事から任命される看護資格のことである。この資格は3年あるいは4年の養成年限で,試験後に厚生労働大臣に任命される正看護師と大きな違いがある。カリキュラムでいうと,正看護師は3000時間以上(うち実習時間1035時間)であるのに対し,准看護師は1890時間以上(うち実習時間735時間)となっている。
Copyright © 2012, Igaku-Shoin Ltd. All rights reserved.