勤務医コラム・4
准看護師の問題
中島 公洋
1
1慈仁会酒井病院外科
pp.1282
発行日 2009年9月20日
Published Date 2009/9/20
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1407102701
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- 文献概要
当院には,高校の看護科を卒業して自動的に准看護師(以下,准看)の資格を得た状態で地方の中小一般病院に就職し,働きながら,さらに3年間看護学校に通って正看護師(以下,正看)の国家試験を目指すという若い人が毎年数人入ってきます.しかし,入ってくるだけまだマシであり,はじめから大きな病院へ引き抜かれる場合が多いのです.なぜなら都会の大病院のほうが寮完備で高給であり,奨学制度などの条件がよいからです.一人暮らしへの憧れもあるでしょう.また,7対1基準の導入によって大手の病院が准看を青田買いしようとしていることも一因でしょう.とにかくトロール漁法のようです.これに対して私のような1勤務医ができることなど何もありませんが,なんとかしないと正看が足りなくなって病院自体が成立しなくなるのです.
私にできることは何か.予備校の講師になったつもりで毎週勉強会を行い,とにかく彼女たちを国試に合格させるしかありません.毎週授業を行うので,1人1人の性格や学業成績がわかってきて,師弟関係に似た「絆みたいなもの」が発生します.一緒に回転寿司を食べに行ったりします.
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