特集 地域の力で子どもを育てる
専門職こそ医療的ケア児を育てる家族の声に耳を傾けて
本郷 朋博
1
,
富田 チヤコ
1ウイングス 医療的ケア児などのがんばる子どもと家族を支える会
pp.178-182
発行日 2019年7月15日
Published Date 2019/7/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.5003201073
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急増する地域で暮らす「新たな障害児」の存在
医療的ケア児—在宅医療や介護の現場で働く多くの専門職の人たちなら,どこかで聞いたことがあるかもしれません。医療的ケアとは,「日常生活を送るうえで必要とされる衛生管理に関する医行為」とされ,障害や疾患等により低下した身体機能を医療機器などで補助し介助する行為のことです。例えば,人工呼吸器による呼吸補助やたんの吸引,胃ろうからの経管栄養や導尿等があります。
医療技術の進歩等により,日常的に医療的ケアが必要な子どもである「医療的ケア児」は,この10年で2倍以上(1.8万人以上)に急増しています1)。これまでの障害児はいわゆる大島分類2)により運動能力と知能指数によって公的支援の基準が判定され,日常的に医療的ケアが必要な重症心身障害児の多くは,この分類の中に収まっていました。
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