特集 看護師長のための実践的マネジメント論 わたしが大切にしている3つのキーワード
チームワークで業績をあげる管理者となるために
道端 由美子
1
1社会福祉法人恩賜財団済生会熊本病院 看護部
pp.32-37
発行日 2012年1月10日
Published Date 2012/1/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1686102313
- 有料閲覧
- 文献概要
- 1ページ目
- 参考文献
私にとってマネジメントとは
急激に変化する時代に適応する
「マネジメントの最大の責任は,自らの組織の生存を確実にすることである。組織の構造を健全かつ堅固にし,打撃に耐えられるようにすることである。そして急激な変化に適応し,機会をとらえることである」。これはP. F.ドラッカーの『乱気流時代の経営』の冒頭言である。つまり,マネジメントの最大の目的は,自らの組織の「永続性」を追求することである。組織が永続できなくなると,いちばん困るのは利用できなくなる住民であり,働けなくなる職員である。そのためには,社会から信頼され,地域のなかでの存在価値を見出していくことが大切である。
日本の平均寿命は,1950(昭和25)年には50年であり,65歳以上の高齢者は人口の5%にすぎなかった。20世紀後半の平均寿命は30年延長し,2010(平成22)年日本人男性の平均寿命は79.64歳,女性は86.39歳であり,人生90年といわれる時代になった。現在,高齢者は人口の23%であり,2030(平成32)年には人口の3分の1(75歳以上は総人口の2割)を占める。また,1割の高齢者が認知症,4割は1人暮らしをしていると予測される。このような超高齢化社会に向けては,医療だけでなく介護,在宅など継続してできるシステムの構築が課題である。
Copyright © 2012, Igaku-Shoin Ltd. All rights reserved.