連載 公論・私論・11
東日本大震災の経験から危機管理を考える―人類は常に災害サイクルのなかに存在するという前提に立つ
石井 美恵子
1
1日本看護協会看護研修学校認定看護師教育課程救急看護学科
pp.1094-1095
発行日 2011年11月10日
Published Date 2011/11/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1686102259
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筆者は,国際緊急援助隊やNPO法人災害人道医療支援会(HuMA)の活動として幾度かの災害時の途上国支援を経験した。被災地の方々から頻繁に耳にするのは,「とにかく,こんなことははじめてだから」「まさか,こんなことが起きるとは思わなかった」という言葉である。
山下1)は,日本の防災,減災対策に関して,「危機を引き起こしている原因自体(主に災害事象)を観測して速報するシステムと,その原因によって引き起こされる結果を予測するシステム,さらには災害後の対応や状況を監視・通報するシステムの3つに大別することができる。いずれも危機管理に欠くことのできないツールであるが,相互に連携することで,効果的な災害対応が可能になる仕組みが整えられている」と述べている。効果的な災害対応が可能となる仕組みが整えられている,もしくは整えられていた先進国日本が経験した2011(平成23)年東日本大震災について考えてみたい。
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