特別記事
看護における広報戦略―患者が必要とする情報提供の課題と展望
鈴木 浩美
1
,
大串 正樹
1
1西武文理大学 看護学部
pp.1083-1089
発行日 2011年11月10日
Published Date 2011/11/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1686102256
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医療制度改革大綱にも掲げられた「患者の視点に立った,安全・安心で質の高い医療」を提供するためには,患者自身による適切な医療の選択が可能でなければなりません。このことは同時に,効果的な医療情報の提供が求められることを意味します。この大きな流れは,看護も無関係ではありません。看護技術の専門化・高度化が進むなか,看護の質が治療効果に大きな影響を与える現代の医療においては,看護独自の情報提供も重要度を増すことは明らかだからです。しかし,何をどのように伝えればよいのでしょうか。これまで看護が行なってきた広報としての情報提供の多くは,看護師による看護師のための情報であって,患者が必要とする情報の提供については議論さえもなかったといって過言ではありません。
本稿では,この情報提供の現状と患者ニーズとの齟齬を分析することによって,看護における広報戦略の課題と展望を論じていきます。
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