連載 戦略的医療安全研修――計画から評価までのプロセス・1【新連載】
いま,医療安全研修に求められているものは何か
石川 雅彦
1
1国立保健医療科学院政策科学部
pp.64-68
発行日 2007年1月10日
Published Date 2007/1/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1686100693
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本連載をはじめるにあたって
医療安全を推進することは医療の質向上のために必須のものと考えられる。このため,医療機関内の職員を対象とした医療安全研修は,患者に安全で良質の医療を提供するためには欠かせない活動である。多忙な職員に適切な研修を企画・実施し,院内に医療安全システムを構築するためには,業務体制のマネジメントと職種横断的な対応が必須である。この実現には,院内全体を俯瞰したシステム的対応が必要であり,看護管理者をはじめとした病院管理者が積極的に参画し,医療安全管理者など,研修実施担当者に対する支援を含めたリーダーシップを発揮することが極めて重要である(図)。
このことから,筆者の所属する国立保健医療科学院(以下,当院)では,医療安全におけるリーダーシップの重要性に鑑みて,2005(平成17)・2006(平成18)年度に,院長,副院長など病院管理者を対象として,「医療安全リーダーシップ研修」を年2回施行し,医療安全推進に向けたリーダーシップの課題をテーマとした研修を開催した1)。
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