増刊号特集1 東日本大震災への医療支援の記録
日本赤十字社の取り組みと被災地からの報告
東日本大震災における現地対策本部でのコーディネーション―石巻圏合同救護チーム本部支援に関わって
伊藤 明子
1,2
1名古屋第二赤十字病院 国際医療救援部
2名古屋第二赤十字病院 看護部
pp.676-681
発行日 2011年7月26日
Published Date 2011/7/26
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1686102134
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はじめに
今回の東日本大震災は,未曾有,空前,想定外といった言葉で表現される,われわれが経験したことのない大災害であり,広汎な地域に甚大な被害をもたらした。われわれ医療従事者はこの大震災を経験して,過去の災害から学んだ教訓をもう一度見直す必要があるばかりでなく,この大震災で新たに学んだことを教訓として今後の災害対策に活かさなければならない。
この大震災で宮城県石巻地区において石巻赤十字病院(以下,石巻日赤)を拠点として展開された“石巻圏合同救護チーム(以下,合同救護チーム)”による医療救護活動は,今後の災害医療対応を考えるうえでモデルケースともなるべき取り組みであった。
筆者は,名古屋第二赤十字病院の初動班(3月11~15日)として発災2日目に石巻市に入り,石巻日赤にて2日間救護活動に従事していったん帰還した。その2日後の3月17日,再度の要請により,石巻日赤の病院支援および合同救護チーム本部支援のために石巻市入りし,4月26日まで約40日間にわたって支援活動を行なった。
本稿ではその活動を通して経験した現地災害対策本部でのコーディネーション,および被災地内の基幹病院である石巻日赤での支援活動について述べる。
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