増刊号特集1 東日本大震災への医療支援の記録
日本赤十字社の取り組みと被災地からの報告
全国17関連校から市内唯一の石巻赤十字看護専門学校を支援―泥を削り落としながら流出した書類を復元
小越 佐知子
1
1長岡赤十字看護専門学校
pp.672-675
発行日 2011年7月26日
Published Date 2011/7/26
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1686102133
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派遣までの経緯
石巻赤十字看護専門学校(以下,石巻看専)は,石巻湾の沿岸地域・旧北上川に近接し,このたびの東日本大震災により甚大な被害を受けた。地震による被害はほぼなかったものの,その後の津波により流されてきた車や家屋などで,建物の1階部分は損壊し,職員室や図書室をはじめ,あらゆるところで机・いす・戸棚や書籍など,学校の設備・備品が押し流され悲惨な状況であった。
この学校は,石巻市唯一の看護専門学校であり,石巻赤十字病院(以下,石巻日赤)および石巻周辺病院への看護師需給の観点から「なくてはならない学校」であり,その復興は急務であった。そこで,全国に17校ある赤十字看護専門学校の専任教師2~3名が,交代で学校支援にあたることとなった。
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