特集 患者相談・クレーム対応の質向上をめざして――組織体制から考える院内コミュニケーション
コミュニケーターの育成はどのように行なわれるべきか?―国立がん研究センターによる相談支援センター研修から
高山 智子
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1独立行政法人国立がん研究センターがん対策情報センター がん情報・統計部 診療実態調査室
pp.1065-1069
発行日 2010年11月10日
Published Date 2010/11/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1686101886
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はじめに
近年,サービスの提供者とその享受者の間の橋渡しを行なうコミュニケーターの役割が注目されており,それは医療界も例外ではない。では,そのようなコミュニケーターの育成は,どのように行なわれるべきだろうか? その答え(求められるニーズや役割)は,コミュニケーターが,どこに,あるいは,どのような人たちの間に介在するかによって異なるだろう。
病院施設を中心に見ると,それらコミュニケーターはいわゆる,「患者相談」に関する領域で必要とされている。そのなかでも,がん患者からの直接的な,もしくはがん全般に関わる相談は,ひとつの領域として成立するほど非常にニーズの高い分野と言える。
本稿では,がんの相談支援という切り口で,コミュニケーターとしてのがん専門相談員に求められているニーズや役割,そしてがん相談支援のために現在行なわれている相談支援研修について紹介したい。
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