特集 患者相談・クレーム対応の質向上をめざして――組織体制から考える院内コミュニケーション
[座談会]実効性のある患者相談対策に向けたシステムづくり―東京大学医学部附属病院患者相談・臨床倫理センターの活動
赤林 朗
1,2
,
瀧本 禎之
2,3
,
阿部 篤子
4
,
上野 仁子
4
1東京大学大学院医学系研究科健康科学・看護学専攻医療倫理学分野
2東京大学医学部附属病院患者相談・臨床倫理センター
3東京大学医学部附属病院診療内科
4東京大学医学部附属病院看護部
pp.1050-1055
発行日 2010年11月10日
Published Date 2010/11/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1686101883
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病院へのクレームや苦情に始まり,その他疾患にまつわる医学的な相談まで,多岐に渡る内容を患者から相談されることは日常的な光景になっている。看護部組織のトップである看護管理者ならば,少なくともそれらの対応に窮した経験があるのではないだろうか。
2007年4月に発足した東京大学医学部附属病院患者相談・臨床倫理センター(以下,当センター)は「患者と医療従事者の架け橋となること」を理念に,双方が納得できる医療を提供できるよう働きかけてきた。医師・法律家のサポートを得て,看護師と職員の計9名が協働して患者相談に対応している。
厚生労働省のモデル事業でもある当センターが,これまでの3年間で蓄積してきたデータを分析し,頻出するケースを抽出,ケースに即した具体的な対応策や思考方法をまとめた『ケースブック患者相談』がこのたび刊行された。本座談会では,センター長をはじめとするスタッフの方々に患者相談業務の効果的なあり方について語ってもらった。(本誌編集室)
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