特集 フェア・マネジメント――健全で持続可能な組織をめざして
フェア・マネジメントの浸透と定着に向けて―最新の組織的公正研究から見えてきたこと
関口 倫紀
1
1大阪大学大学院経済学研究科
pp.903-906
発行日 2010年9月10日
Published Date 2010/9/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1686101848
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フェア・マネジメントへの強い意志
●格差社会で高まるフェア・マネジメントの重要性
組織においてフェア・マネジメントの実現が重要であることは疑いの余地がないでしょう。自分が働いている組織がフェアだと感じる従業員が多ければ,組織への帰属意識や士気が高まり,法令順守や生産性の向上など数多くの効果が期待されますが,働いている組織がアンフェアだと感じる従業員が増えれば,組織への帰属意識は薄れ,職場の生産性が損なわれるのみならず,組織内犯罪や不祥事などの発生も危惧されます。
近年は,多くの組織で成果主義的な人事制度の導入や非正規雇用の増加が進展したことによる従業員間の処遇格差も顕在化しつつあることもあって,フェア・マネジメントの必要性がより高まっているようです。
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