特集 フェア・マネジメント――健全で持続可能な組織をめざして
海外における組織公平性研究レビュー―看護学,身体的健康およびメンタルヘルスとの関連性の見地から
田中 美加
1
1福岡大学医学部看護学科
pp.895-898
発行日 2010年9月10日
Published Date 2010/9/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1686101846
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はじめに
組織公平性(Organizational justice)とは,組織の中で認知される公平性のことを指す1,2)。近年,組織公平性は,組織のパフォーマンスのみならず,従業員のメンタルヘルスや身体的健康に影響を与えるものとして近年注目されており,現在,海外を中心に数多くの研究が行なわれている。
医療従事者,特に看護師は一般職と比較して仕事上のストレスを感じやすく,仕事への満足感の低下や,バーンアウト,抑うつ症状といった精神的な問題を引き起こしやすいといわれている。ストレスの少ない組織をつくり,看護師のメンタルヘルスと仕事へのコミットメントを向上させることは,患者へのよいケアの提供につながり,まさに看護管理上の重要な課題であろう。
そこで,本稿では,看護領域も含めた組織公平性に関するこれまでの研究についてレビューを行ない,看護の組織運営における組織公平性理論活用の一助としたい。
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