特集2 実は「痩せ」も危険だった!
陰性症状をケアしながら心身状態を底上げしていきましょう―一気に体重を取り戻そうとしてはいけない
長嶺 敬彦
1
1清和会吉南病院
pp.52-58
発行日 2007年1月15日
Published Date 2007/1/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1689100382
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瘦せも非常に問題です
統合失調症で、肥満は大きな問題です。肥満は高脂血症、糖尿病、高血圧を引き起こすだけでなく、セルフ・イメージの悪化を引き起こし、患者さんのQOLを著しく損なうからです*1*2。肥満を起こす誘因に、生活習慣と抗精神病薬、とくに構造式で三環系構造を有するピン系の抗精神病薬があります*3。肥満に関して、最近は日常の看護でもかなり注意させるようになりました。
ところが統合失調症の患者さんの身体合併症を治療していると、肥満と対極にある「瘦せ」も非常に問題であることに気づきます。著しい「瘦せ」は間違いなく統合失調症患者さんのQOLを低下させます。陰性症状が前面に出ている慢性期の無為・自閉的な患者さんでは、「瘦せ」は大きな問題です。それにもかかわらず、臨床の現場であまり注目されていません。
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