特集 がん患者のシームレスな療養支援体制づくりに向けて
[インタビュー]がん患者の生活を支える地域づくり―在宅療養支援診療所に勤務する専門看護師の立場から
宇野 さつき
1
1新国内科医院
pp.480-484
発行日 2010年6月10日
Published Date 2010/6/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1686101756
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在宅ケアをリードするCNSをめざして
――宇野さんは,在宅療養支援診療所に勤務する専門看護師(以下,CNS)という,非常にユニークなキャリアをおもちです。特に地域で療養生活を送るがん患者さんと在宅医療をつなぐ貴重な存在だと思います。同時に,がん専門治療施設と地域をつなぐ役割も担われています。なぜ在宅をフィールドに活動されるようになったのでしょうか。
宇野 私は学生の頃から,CNSとしての活動を希望していました。それは,現場で看護実践のリーダーシップをしっかり取りたい,そのポジションを取れるのはCNSではないかと漠然と感じていたからです。当時,認定制度は日本にまだありませんでした。
その後,小児やがんの専門治療施設,教育機関などでの経験を経て,大学院に入学しました。病棟や外来,救急などの経験から,どこでどのように活動していけたらよいかと考えていました。
このようななか,修士2年次に英国での短期グループ研修の機会を得ました。当時,日本ではCNSの数が少なかったこともあって,ロールモデルとして具体的にどういう活動や役割をとっていけるのかを知りたいと考えての渡英でした。現地では,数人のマクミランナース(Macmillan nurse)にお会いし,直接お話を聞くことができました。
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