特集 がん患者のシームレスな療養支援体制づくりに向けて
切れ目のない緩和ケアの提供―サポーティブケアセンターにおける「サポート外来」の現状と課題
山岸 聡子
1
1前千葉県がんセンター
pp.476-479
発行日 2010年6月10日
Published Date 2010/6/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1686101755
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はじめに
都道府県がん診療連携拠点病院・がん専門病院である千葉県がんセンター(以下,当院)では,DPCの導入に伴う入院期間の短縮や,外来通院治療室の整備を背景に,がん治療の場が外来へシフトしている。多くのがん患者が自宅でがん治療の副作用やさまざまな症状に対処しながら生活しているが,外来看護力の底上げは遅れ,対症療法を目的とした緊急入院が多い現状である。
また,2007(平成19)年6月に閣議決定されたがん対策基本計画1)の全体目標として,「すべての患者・家族の苦痛の軽減・療養生活の質の向上」が掲げられている。
そこで当院では,「緩和ケアの早期からの導入と円滑な在宅療養への移行」を目的に,2009(平成21)年度からサポーティブケアセンターを立ち上げた。その一部門である「サポート外来」には専任の看護師が所属し,外来通院患者を対象に,主に早期緩和ケアの導入を目的に活動を展開している。専任の看護師による,外来通院患者を対象とした能動的な緩和ケアの提供は,全国的にも先駆けた取り組みであり,その活動を紹介すると共に今後の課題を述べる。
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