連載 スタッフの倫理的感受性を高める ナースマネジャーがともに考える臨床倫理――臨床看護師が直面する倫理的ジレンマを紐解く・4
医療資源の配分:The Allocation of Health Resources
竹之内 沙弥香
1
,
田村 恵子
2
,
浅井 篤
3
1京都大学大学院医学研究科医学専攻社会健康医学系医療倫理学分野
2淀川キリスト教病院ホスピス看護課
3熊本大学大学院生命科学研究部生命倫理学分野
pp.346-351
発行日 2010年4月10日
Published Date 2010/4/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1686101723
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配分の3つのレベル
限られた医療資源をどのように配分するかという問題は,今日の医療倫理の大きな課題のひとつである1)。医療資源には,国家が使用できる医療のための資金や医療保険から,施設(ICUや入院ベッドなど)や医療機器,医療スタッフの数や個々の医療スタッフの時間や労働レベル,そして臓器などが含まれる2)。それらの資源は有限であり,人々の多種多様なニードすべてを満たすことはできないため,どう配分するかが問題になる。
医療資源の配分を検討する際,以下の3つのレベルの配分に分類される1)。
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