医療の周辺医療経済 医療経済・7
医療費用の効率的配分と費用の再配分
前田 信雄
1
1国立公衆衛生院
pp.596-597
発行日 1979年7月1日
Published Date 1979/7/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1541206913
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医療や保健サービスへのニードの増加は必然なのに,それに応えるべき入員や施設そして材料などには制限がある.このためどうしても効果的効率的な「資源」の再配分が要請される.こういう論旨は,数多くの人たちから述べられてきた.しかし,そのことの,そのための実証研究は,日本では特に少ない.その実証研究を広める上でも必要な,いくつかの論点の整理をしてみよう.なお,ここで「医療費用」としたのは,医療資源とほぼ同義語であるが,もっと経済的な費用配分を考えるために使っただけである.「資源」には,狭義には「所得以外の資産的なもの」の意味,広義には,水や空気まで含めた「地球全体」の意味,ときには無形の技術まで含めた意味があって,大きくなり過ぎるのでここではあえて使わなかった.医療費用といえば,提供側の施設,人,設備であり,ほぼそれと同じ範囲で,しかもそのうち配分が可能な社会的費用について考えることとする.
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