連載 やじうま宮子の看護管理な日々――看護師長でいこう!・35
電気けいれん療法の現在
宮子 あずさ
1
1東京厚生年金病院
pp.130-131
発行日 2009年2月10日
Published Date 2009/2/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1686101418
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単なる治療と見られない複雑な歴史
皆さんは,電気けいれん療法をご存じですか? 私は13年前に神経科に移って,この治療が実際に行なわれていることを知り,ひどく驚いた記憶があります。なぜかと言えば,さまざまな差別と闘う友人・知人から,精神疾患を持つ人へのむごい振る舞いのひとつに,それがあると聞かされていたからです。
人間性を奪う,懲罰として行なわれているというのが,その反対の理由でしたが,今思うと,すでに禁止されているロボトミー(前頭葉切裁術)と混同していたのかもしれませんね。実際行なわれている治療を見れば,きちんと麻酔をかけ,苦痛がないよう実施されている。決して懲罰という印象は持ちませんでしたし,よくなる患者さんも見て,反対している人はこの現実を知らないんだろうな,と思いました。
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