書評
『看護情報学』
井部 俊子
1
1聖路加看護大学
pp.885
発行日 2008年9月10日
Published Date 2008/9/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1686101316
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情報依存症の看護師とは
臨床では,「情報がいのち」というスタッフは経験年数が少ない人たちに共通しており,4年目を過ぎると情報がほしいと言わなくなるようだと私は以前に書いたことがある。
看護師の,いわゆる「情報依存症」の〈診断〉はこうである。カルテ情報を読み,他の看護師から患者情報を聞かされないとベッドサイドに行けない。特定の患者の引き継ぎの際,あれについてこれについてと,とことん情報を得ないと気が済まない。看護過程とは必ず「情報収集」から始まるものだと思っている。一方,情報収集とは他人に委ねられるものであると信じているため,自分自身で観察したり会話をしたりして情報を得るのは邪道だと思っている。こうして臨床現場では「情報」をめぐる諍いは絶えない。
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