連載 印象に残ったリハビリテーション事例
永遠なるもの
内 昌之
1
1東邦大学医療センター大森病院リハビリテーション科
キーワード:
死生観
,
家族
Keyword:
死生観
,
家族
pp.194-195
発行日 2011年2月10日
Published Date 2011/2/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1552101983
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灯が消えるとき
深見草の咲き乱れる季節に一通の訃報が届き,私の一人の恩人が闘病生活の末,帰らぬ人となったことを知らされた.数日後,千葉県の木更津市で執り行われた通夜には,故人を惜しみたくさんの方々が悲痛な面持ちで焼香され,志半ばの余りにも早い旅立ちに,言葉にならぬ遣り切れぬ気持ちを抱いているのが痛々しく伝わった.
通夜の席を後にして東京湾横断道路を西に走り,羽田空港に降りる旅客機の灯が列をなして上空の低いところで車を追い抜いてゆくなか,私はその方が亡くなったということがどうにも理解できず,今も間近にいらっしゃるようなたいへん不思議な気持ちであった.
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