特別記事
がん対策推進基本計画を看護の視点で読み解く
小島 操子
1
1聖隷クリストファー大学
pp.970-977
発行日 2007年11月10日
Published Date 2007/11/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1686101067
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はじめに
本年4月にがん対策基本法が施行され,6月には,長期的視点に立ちつつ今後5年間のがん対策の基本的方向を定める「がん対策推進基本計画」が閣議決定された。日本のがん医療は,これまでのがん対策をふまえて,いよいよ患者を中心に患者の視点に立って進められるべく,大きな歩みを始めた。
筆者は,1960年代と1970年代の半ばにアメリカに留学し,アメリカの国家がん対策法前後のがん医療・看護を経験してその激変ぶりに感動し,多くの学びを得たことから,本法には格別の思い入れや期待がある。日本のがん対策基本法は,アメリカの科学が爆発的に進歩した直後の時代のものとは異なり,その後の進展したがん医療・看護の恩恵をこうむっているとはいえ,がん患者中心,患者の意向の尊重,QOLの維持・向上,さらにがん看護の質向上,スペシャリスト教育の充実などの項目が含まれており,真に患者を中心としたがん医療・看護に向けて大きな進展が期待される。
本稿では,日本のがん対策とがん対策基本法を概観し,がん対策推進基本計画について看護の視点から述べる。
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