特集 地域保健をどうすすめるか—保健所長はこう主張する
保健医療計画の推進
一ノ渡 義巳
1
Yoshimi ICHINOWATARI
1
1岩手県盛岡保健所
pp.685-688
発行日 1993年10月15日
Published Date 1993/10/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1401900893
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■はじめに
昭和60年12月医療法の改正があり,61年8月から施行された.同法第30条の3に「都道府県は,当該都道府県における医療を提供する体制の確保に関する計画(以下「医療計画」という)を定めるものとする」とあり,全国で計画作成が始まった.関連の以後の通知は下記のごとくである.
①昭和61年8月「医療計画について」(健康政策局長通知)
②平成2年11月「地域保健医療計画の作成」(健康政策局計画課長通知)
①の局長通知には別紙として「医療計画作成指針」が添付され,この時点では保健の文字はどこにも見られない.
②の課長通知に初めて保健医療計画が正式に登場し,通知文の中に「地域保健医療計画は,都道府県医療計画を踏まえた圏域別の計画……」とあり,さらに「地域保健医療計画は最終的には医療法に基づく医療計画の一部として位置付けられるものである」と御丁寧にも記載されている.われわれはこの通知を見て奇異に感じたものである.医療計画が先にあって,保健は後から無理にくっつけたような気がした.
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