連載 やじうま宮子の看護管理な日々――看護師長でいこう!・19
スタッフをどう守る?
宮子 あずさ
1
1東京厚生年金病院
pp.912-913
発行日 2007年10月10日
Published Date 2007/10/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1686101054
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「劣化した」人々のつくる「いちゃもん社会」
現代社会に対する鋭い切り口にはっとさせられる香山リカさんの近著『なぜ日本人は劣化したか』(講談社現代新書)を読みました。ここには他人に対する配慮・想像力が欠如し,立場の違う人に対して不寛容となった日本人の問題が描かれています。読後,今私が感じていることの多くが言葉になっていると感じました。状況や人の気持ちを掘り下げて考える力が落ちている――。しばしば感じるこの不安は,まさに「劣化」という言葉がはまると思います。
同業者対象の専門誌ということで本音をお話ししますが,「患者さんの権利意識の強まり」という穏やかな表現では収まりきらないような苦情が増えている気がします。よかれと思ってすることを,ことごとく悪意に取られたり,足りない部分だけをあげ連ねてののしられたり。時折,医療者としての良心に照らして反省すればするほど,それを逆手に取られて,無理難題を押しつけられるような恐怖を感じるのです。
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