連載 世界の健康被害・6
守るべきもの
鎌仲 ひとみ
1,2
1多摩美術大学
2国際基督教大学
pp.498-499
発行日 2011年6月15日
Published Date 2011/6/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1401102142
- 有料閲覧
- 文献概要
放射性物質拡散
3月11日に起きた東京電力福島第一原子力発電所の事故以来,いったいどれだけの放射性物質が放出され,どのように拡散していったのか.その正確な数字は不確定のまま,事態は今も進行している(4月20日現在).事故が発生して1か月も経って,チェルノブイリと同じ「レベル7」の事故であるとIAEAによって認定された.しかも3月11日の時点で大量の放射性物質が出ていたこともわかっていたのに,それは隠されていた.
福島原発が放出した放射性物質の量はチェルノブイリの量の1割とされているが,チェルノブイリの事故当時に放射能が拡散した地域に比べて,今回の事故では格段に人口密度が高い地域に放射性物質が飛散したことは重大な違いだ.3月11日以来放出された放射性ヨウ素131は37~63万ベクレル(Bq)と言われ,現在も放出は続いている.
Copyright © 2011, Igaku-Shoin Ltd. All rights reserved.