研究報告
看護師のストレスと業務の専門性との関連
渡辺 孝子
1
,
重久 加代子
2
,
小礒 玲子
3
,
徳世 良重
4
1埼玉医科大学保健医療学部看護学科
2国際医療福祉大学保健学部看護学科
3埼玉県立総合リハビリテーション看護部
4埼玉県立呼吸器循環器病センター看護部
pp.871-876
発行日 2007年10月10日
Published Date 2007/10/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1686101046
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本研究の目的は,医療環境が急激に変化するなかで高まっている看護師のストレスを,バーンアウトの視点で調査し,その実態を明らかにするとともに,専門分化が進む医療環境で働く看護師のストレスおよび影響要因の違いを専門領域別に明らかにし,ストレス対策に有用な資料を得ることである。
北関東地方のがん看護,呼吸循環器看護,リハビリ看護の3専門領域で働く看護師の調査から得た407のデータを統計的手法で分析し,次のような結果を得た。バーンアウト得点が最も高かったのはがん看護領域,次いで呼吸循環器領域であった。3専門領域で共通していた影響要因はAntonovskyの健康生成概念であるSOCで,特にがん看護領域の看護師への影響が大きかった。SOC以外では,がん看護領域,呼吸循環器領域ともに専門領域における看護経験であり,専門看護習得までの期間を保障することの有用性,リハビリ看護領域では自己の仕事に対する姿勢を前向きに転化できるような働きかけの有用性が示唆された。
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