連載 大学病院副看護部長研修のプログラム開発と実践・1【新連載】
大学病院に特化した副看護部長研修のプログラム開発に向けて
大室 律子
1
,
北池 正
2
,
黒田 久美子
1
,
平山 妙子
3
,
濱野 孝子
4
,
門川 由紀江
4
,
岡田 共子
5
,
木村 チヅ子
6
1千葉大学看護学部附属看護実践研究指導センター
2千葉大学看護学部
3北海道大学病院看護部
4千葉大学医学部附属病院看護部
5横浜市立大学附属市民総合医療センター看護部
6慶応義塾大学病院看護部
pp.878-884
発行日 2007年10月10日
Published Date 2007/10/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1686101048
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大学病院の看護管理者に求められる能力とは
はじめに
近年,患者ニーズの多様化など社会を取り巻く環境の変化に対応して,保健・医療・福祉に関わる制度も年々改正されつつある。一方,医療を取り巻く環境が激変するなかで,医療機関は多様なレベルの目標を達成するために,人材を活用しながら質の高い医療を提供する継続的な努力が求められている。
看護管理者も病院経営に参画するようになり,看護部の役割は拡大している。組織がその役割を達成するためには人材育成が重要で,それには当該職員の意欲を向上させる教育が必要である。
2004(平成16)年度の全国国立大学看護部長会議で,医療・看護管理の実践能力を高め,組織を改善・改革する必要性から,高度医療機関における副看護部長研修を実施してほしいとの強い要望があった。上級看護管理者の人材育成は,組織管理者の理解と支援なくして達成できない。
わが国には,看護管理者研修は多くあるが,全国の大学病院“副”看護部長研修は実施されていない。このたび「大学病院に特化した副看護部長研修のあり方」について,2005(平成17)年度に財団法人木村看護教育財団助成による調査研究を行ない,大学病院副看護部長研修の実践的プログラムを開発した。そのプログラムを2006(平成18)年度に実施し,その成果を評価したので順次報告したい。
本稿ではその調査研究の概要と,大学病院という施設に特化した特徴について述べたい。
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