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病院の有資格看護師の配置と有害事象
松谷 千枝
1
,
菅田 勝也
1
1東京大学大学院医学系研究科修士課程・看護管理学分野
pp.724-725
発行日 2003年9月10日
Published Date 2003/9/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1686100901
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- 文献概要
アメリカでは,1983年の医療費見込み払い制度の導入とマネジドケアに起因する病院間の価格競争が病院産業に大幅な変革をもたらし,看護師配置が縮小され,スキルミックスが変化した。RN(Registered Nurse;登録看護師)対象の調査では,RNが削減され,無資格職員が増える一方,受け持ち患者数,重症度がともに増し,ケアの質への影響を懸念する報告がなされている。
しかし,これまでの看護師配置数の変化に関する研究では,RN数が安定あるいは増加しているという結果が出ており,看護師が感じている状況と矛盾する。この矛盾を解く鍵はLPN(Licensed Practical Nurse)訳注1)数が1990年代を通して減少したことにある。RNはコストが高く確保も困難なため,近年,LPNが業務を分担,代行して技術を要するケアを行なってきたが,LPN数が減少したため,記録の上では増えていないはずのRNの業務量が実際には増加したと考えられる。
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