連載 感染管理・業務改善 SUCCESS FILE・4
再生器材の一次洗浄・消毒の中央化
小野 和代
1
1東京医科歯科大学医学部附属病院感染対策室
pp.399-403
発行日 2003年5月10日
Published Date 2003/5/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1686100838
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何が問題だったか
部署ごとに一次洗浄・消毒するリスクとコスト
当院では,2002(平成14)年3月まで,使用済みの再生器材は看護師が「使用場所において洗浄・消毒をする。その際,感染症の患者に使用した器材は分別する。その後に材料部へ返却する」という処理方法を実施してきました。しかしこの方法では,洗浄・消毒業務に携わる者の感染源への曝露の危険性,吸入毒性など消毒薬の副作用の問題,作業場における周囲への汚染拡大の危険性などがあることは,一般的に知られています。
また,部署ごとに器材に応じて用意されたさまざまな消毒薬を入れたバケツが並ぶ状況では,多くの問題が気になっていました。たとえば,消毒薬の選択を誤るおそれ,使用濃度が不適切となるおそれ,いつ使用するかわからないまま消毒液が作成されるなどの不経済性,バケツを安全に管理できるスペースの確保とその環境を保持することの困難さなどです。
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