短報
超音波ネブライザーのMRSA汚染と次亜塩素酸ナトリウム消毒の有効性
大可 由美
1
,
阿部 靖子
1
,
末広 和子
1
,
斉藤 亜矢子
1
,
柳井 真由美
1
,
沖原 紀子
1
,
東 由利子
1
,
飯野 英親
2
1医療法人博愛会宇部記念病院3階病棟
2山口大学医学部保健学科
pp.392-393
発行日 2003年5月10日
Published Date 2003/5/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1686100836
- 有料閲覧
- 文献概要
●目的
超音波ネブライザー(以下,ネブライザー)は,複数患者への連続使用時には,口腔を含む呼吸器経路の水平感染のリスクを伴う1)。当院では従来から,メチシリン耐性黄色ブドウ球菌(MRSA)保菌患者が使用するネブライザー吸入器の消毒には,薬剤残留性が低く,MRSAを含む多くの病原微生物に殺菌効果のある次亜塩素酸ナトリウムを使用している2)。このネブライザーの消毒に関しては,次亜塩素酸ナトリウムの有効性は検討されている2) が,MRSA保菌患者に対象を絞り,ネブライザー消毒前後のMRSA汚染度や消毒の効果については不明な点が多い。そこで,MRSA患者が使用したネブライザー消毒前後の,マウスピース・蛇管・薬液カップ内部のMRSA汚染度を明らかにし,次亜塩素酸ナトリウム消毒法の有効性を検討する研究を行なった。
Copyright © 2003, Igaku-Shoin Ltd. All rights reserved.