特集 医療事故と情報管理
[対談]医療事故における情報開示―医療安全文化は根付くか
橋本 廸生
1
,
李 啓充
2
1横浜市立大学医学部・同附属病院医療安全管理
2作家・医師
pp.166-170
発行日 2003年3月10日
Published Date 2003/3/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1686100792
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なぜ医療事故公表基準を作るのか
橋本 本日は,医療の情報開示と安全文化がテーマです。これまで病院で医療事故が起きたときに,正しい情報が必ずしも十分に開示されてこなかった,そして,それには,われわれ医療関係者が安全文化というものを共有してこなかった,という反省があります。今日は,これからの課題を整理できたらと思います。まずは,私の所属する横浜市立大学医学部附属病院をはじめ,三重県等でも「医療事故公表基準」が出されたというところから話を始めたいと思います。
李 この場合の「公表」というのは,誰に対して公表するのですか。そもそも患者にきちんと事実を伝えていれば,マスコミなどに言う必要はないと思うのですが。
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