特集 安全な看護を支える設備やモノの再点検
正しい知識の共有に基づく現場発想の感染予防対策
多田 まゆみ
1
,
関口 孝子
1
1盛岡市立病院看護局
pp.100-104
発行日 2003年2月10日
Published Date 2003/2/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1686100781
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はじめに
今や,MRSAやVREなどの院内感染に関連した報道は,医療従事者のみならず国民の関心事になっている。病院などの医療施設では感染予防ができて当たり前と見なされ,医療現場に従事する者もまた,信頼される良質な医療を提供するために感染予防対策は不可欠であると認識している。しかし,実際には施設的な制約や経済的な問題が多くあり,試行錯誤しながらの感染予防体制構築となっているのが現実ではないだろうか。
逆説的ではあるが,感染予防対策を遂行する上で考慮されるべき点は,施設・設備や費用の限界だけではなく,スタッフが正しい知識を有し,かつ高い関心を持ち続けられる職場環境が整っていることである。本稿では,スタンダード・プリコーションに基づいた感染予防対策が,さまざまな場面でどのように実践されているか,当院の看護スタッフの工夫を紹介したい。
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