特集 安全な看護を支える設備やモノの再点検
輸液ポンプスタンドの転倒事故減少に向けて―倒れにくいセッティング方法と進行方向の探求と普及
池岡 一彦
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1特別医療法人財団董仙会恵寿総合病院・医療技術部医用工学科
pp.95-99
発行日 2003年2月10日
Published Date 2003/2/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1686100780
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はじめに
董仙会グループは2病院5施設からなり,その中心となる当院は病床数454床を有し,能登半島の中核病院としての役割を担っています。私の所属する医用工学課では,心臓カテーテル検査,各種内視鏡検査や手術時の器械操作などのほかに,董仙会グループで稼動している医療機器約200種二千数百台あまりのメンテナンス,修理業務を行なっています。
当課では,1997(平成9)年より修理記録のデータベース化を始めました。数年前より,「ひやりはっとレポート」「アクシデントレポート」などの報告体制の整備が進むにつれて,当事者が報告しにくかった医療機器転倒の事実や,それに伴う修理件数も増え始めました。2001(平成13)年には,輸液ポンプ総修理件数のうち,転倒による故障が15.9%を占めるようになり,中にはそのまま使用すれば医療事故につながる危険性のあったものさえ見つかりました。
なかでも輸液ポンプは,スタッフだけでなく患者様も移動させることがあります。輸液ポンプの転倒事故減少に向けて,私たちに何かできることはないかと,検討を開始しました。
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