特集 事故後の対応を考える
安全・安心・納得の医療をふまえて
これまでの医療事故対応から何を学ぶか―看護管理者のマネジメントとして
安井 はるみ
1
1社団法人神奈川県看護協会医療安全対策課
pp.153-157
発行日 2007年2月10日
Published Date 2007/2/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1686100666
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はじめに
神奈川県看護協会(以下,当協会)では,2003(平成15)年度から医療安全相談窓口を設置し,医療事故発生後の対応について,事故の関係者や事故が発生した施設の管理者とともに,事故後の対応について事例ごとに検討してきた。4年目を迎えた現在,当協会だけでなく,他県で発生した事故のその後の対応も含めて,患者や家族に誠意のある対応をするとはどういうことなのか,日々模索している。
同時に,事故が発生した組織の対応は,経営幹部の取り組みいかんにより,患者や家族だけでなく,職員が不当な状況におかれたり,精神的ダメージを受ける場合もあり,組織における事故後のあり方をいかに公平な視点で考えるべきかということを大きな課題として感じている。さらに起こった出来事から学んだことを,施設を越えて共有する仕組みがいまだ十分ではないため,各施設における,患者や家族との関係性や信頼性を取り戻すプロセスにまで至ったような取り組みが,その施設だけに留まって知られていない場合もある。これは組織や職員への対応に関しても同様である。
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