特集 地域を支え,地域とともにいきる
連携施設とめざす患者本位の医療・看護
病院と訪問看護ステーションで安心して在宅で過ごせる町づくりを
鈴井 美名子
1
1訪問看護ステーション長沢ひまわり
pp.313
発行日 2007年4月10日
Published Date 2007/4/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1686100620
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■運営状況と川崎市立多摩病院との協働体制
「訪問看護ステーション長沢ひまわり」は,川崎市多摩区にある4つの訪問看護ステーションのうち,1997(平成9)年5月に最初のステーションとして開設した。現在11名の看護師(常勤3名・非常勤8名)がおり,うち8名は介護支援専門員(ケアマネジャー)の資格を有している。週3日は理学療法士または作業療法士が1名,法人内の病院から派遣されている。24時間の連絡体制をとり,夜間・休日は常勤者2名が携帯電話を持って自宅待機している。利用者は生後8か月から101歳まで155名。その内の63%が24時間連絡体制を希望している。1か月の平均訪問件数は750件。時間外の電話相談は月平均35件。緊急訪問は月によってバラつきがあり10~30件。特に最近はターミナル期が増え,電話相談,緊急訪問とも増加傾向にある。
川崎市立多摩病院(以下,多摩病院)が開院したことは,在宅療養をサポートする側の筆者らにとっては連携の点でとても安心し,期待をもたらしてくれた。多摩病院の医療相談センター看護相談からは訪問看護の依頼が頻繁にあり,情報が早めに送られてくる。退院前の合同カンファレンスや,随時の情報提供があるおかげで,当ステーションでも事前に自宅を訪問し,住宅状況や家族の意向確認を行なうなどの受け入れ準備がしやすくなっている。退院後も通院している利用者とは,医療相談センターを介して医師との連絡がとりやすく,その結果早めに受診し,入院を回避できた例もあった。
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